Number:133 2010.2月号


増井一平さん(ますいかずひら)さん


 

●増井一平ます い かずひら
1948年 千葉県市川市高石神に生まれる。
1964年 父、 増井八郎について型紙彫りの修行に入る。
1980年 江戸小紋、 人間国宝、 小宮康孝氏と出会い、 江戸小紋を彫り始める。
1989年 東京国立近代美術館・工芸館 『ゆかた よみがえる展』 に出品。
以後、 千葉県立上総博物館、 鳥取県立博物館、 渋谷区立松涛美術館などで型紙展を企画・出品。
2006年 アメリカボストン美術館所蔵 ビゲローコレクション型紙の研究・視察のため訪問。
2007年 フランス パリ装飾美術館所蔵型紙視察・研究に訪問。
[受賞歴]
1990年 伝統文化ポーラ賞10周年記念特別ポーラ奨励賞受賞。
2006年 第53回日本伝統工芸展にて、 型彫り製作の 『江戸型小紋両面染 「梅」』 で高松宮記念賞受賞。
[講義・公演など]
鳥取県立博物館 『山陰路の型紙展』、 太田記念美術館 『土曜講座』、 長野県須坂市 田中家本家博物館 『夏の装い浴衣展』 にて、 型紙について講演。
2004年 東京芸術大学大学院美術研究科非常勤講師。
2007年 武蔵大学人文学部にて、 型紙について講演。

 着物の模様の染めは、日本人の生活に彩りを添えてきました。その染めの多くは型紙を使っており、それらの造形美を生み出したのは知られざる職人達でした。染めの型紙は、その消費量からみても手仕事の中でも大きな仕事でありながら、その柄(模様) を着る一般の人々の眼には触れられる機会も少ないものです。しかし、模様の中にある一彫り一彫りの技術は素晴らしく、これまで表に出てこないことが惜しい程でした。
 型彫り師、増井一平氏は、一九六四年から父、増井八郎氏について型紙彫りの修行に入り、その後、江戸小紋、人間国宝の小宮康孝氏と出会い江戸小紋を彫り始めます。現在は、その磨かれた技術で新しいデザインを生み出す傍ら、日本各地をはじめ、ボストン美術館、パリ装飾美術館へも足を運び型紙について研究も行っています。時代も異なる職人達の 『ものつくり』 の技を確認していると、型紙からは、地域やその土地の人々の暮らしぶりが見えてくると増井さんは語ります。
 「後継者はいないが、自分が型と携わってきた歴史のことを伝えていきたい」 職人の苦しい環境をただ悔いるのではなく、志を高く持ち、今の時代に合った型彫り師の生き方を試行錯誤しながら進む姿勢は、増井氏の 『ものつくり』 の技に表れています。
 今回の展覧会では、型紙と型染め、両方の世界を味わっていただけるよう展示を行います。一歩でも前へ新しいことに挑戦する職人魂と、 手の込んだ技の価値、美意識をご覧下さい。
(今月号の執筆は市川市文化振興財団学芸員の渡邉百合子さんにお願いしました。編集部)

市川市ゆかりの作家展 「増井一平かずひら 型紙と型染め展」
◆期日 2010年2月2日ク〜7日カ
◆会場 八幡市民談話室2階
     文化の広場
     市川市八幡2-4-8
     電話 047-334-5656
◆開館時間 午前10時〜午後7時
◆入場無料
◆イベント 作家による型彫り実演
       2月7日カ 午後4時〜
◆お問合わせ 恷s川市文化振興財団
      電話 047-379-5111